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汎用ヒト型ロボットLabDroid「まほろ」を用いた 網膜色素上皮不全症に対する臨床研究に参画
株式会社VC Cell Therapyは、網膜色素上皮不全症に対する臨床研究(*注1)の細胞製造に関わる協力機関として参画し、その過程において汎用ヒト型ロボットLabDroid「まほろ」(*注2)を用いることとなりましたのでお知らせいたします。
これまで当社は、汎用ヒト型ロボットLabDroid「まほろ」を開発するロボティック・バイオロジー・インスティテュート株式会社(以下、RBI)とのパートナーシップの下、ロボットとAIを用いた細胞製造の自動化・高度化・次世代化に取り組んできました。今回これらの成果を臨床研究で活用するに至りました。
2022年2月17日に地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立神戸アイセンター病院(以下、神戸アイセンター病院)が了承を受けた臨床研究では、細胞培養過程において汎用ヒト型ロボットLabDroid「まほろ」を用いる手順が含まれており、このロボットを用いた細胞製造を当社が担当します。
当社は引き続き、「すべての患者さんのために、あらゆる解決策を」を目指し、治療だけでなく生活・就業環境、世の中の意識やルールに至るまでありとあらゆる手段で、視覚障害者の課題解決に取り組んでまいります。
*注1
2022年2月17日に開催された厚生科学審議会 再生医療等評価部会にて、神戸市立神戸アイセンター病院が提出した「網膜色素上皮(RPE)不全症に対する同種iPS細胞由来RPE細胞凝集紐移植に関する臨床研究」を指す。当社は協力機関として参画します。
※詳細はこちら
https://kobe.eye.center.kcho.jp/news/151/
*注2
汎用ヒト型ロボットLabDroid「まほろ」
RBIが開発した生命科学実験用のヒューマノイドロボットシステム。ヒトと同じ自由度の2本の腕を使い、人間が実験で使用するのと同じ実験器具で作業を行います。熟練者の細胞培養における手技を数値化・最適化し、高精度で繰り返し再現可能です。今後は手技・判断(匠の技)をロボット・AIに継承させることで、安全かつ高品質な細胞を安定して製造するプロセスの開発が期待できます。
■株式会社VC Cell Therapy(VCCT)
再生医療等に関する技術の研究及び開発、物品の製造、販売、知的財産の取得、保有、使用許諾、譲渡及び管理を目的に、眼科領域・再生医療領域における研究・開発を行う株式会社ビジョンケアの100%子会社として2021年3月に設立(理研ベンチャー認定)。再生医療の早期実用化に取り組んでいます。
髙橋政代 代表取締役社長のコメント
細胞製造施設では周辺機器は厳密にバリデーションがとられていますが、細胞製造作業者の手技部分は検証のない状態です。一番重要な作業部分に関して、SOPを変えずにバリデーションが取れた手技に置き換えるという試みが臨床応用となりました。今回は一部の工程ですが、徐々にロボットが行う工程を増やしていきます。多種類少量生産の段階に有効な新しいハイブリッド細胞製造の幕開けであると考えています。
■ロボティック・バイオロジー・インスティテュート株式会社(RBI)
代表者: 松熊研司 (代表取締役社長)
本 社: 東京都江東区青海2-5-10 テレコムセンタービル東棟1階
概 要: 汎用ヒト型ロボットLabDroid 「まほろ」による生命科学分野の研究加速を目指し、2015年6月に設立。2018年6月より株式会社安川電機の100%子会社。「まほろ」の高再現性・汎用性を活かし、細胞培養やゲノム解析など様々な領域での革新的ソリューション提供に取り組んでいます。
松熊 研司 代表取締役社長 コメント
今回、再生医療における臨床研究の一部工程に『まほろ』が活躍できることを大変意義深く感じております。今後も、研究者が『まほろ』と協働することで、日々の膨大なルーチンワークから解放されて本来のクリエイティブな仕事に専念できるとともに、研究の生産性と効率を飛躍的に向上できる、『理想郷(まほろば)』の実現を目指して参ります。
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