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研究活動における不正防止に関する規程

【区 分】規程
【名 称】研究活動における不正防止に関する規程
【制定日】令和3年6月29日
【責任者】代表取締役
【担 当】監査室

(目的)
第1条 本規程は、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(平成
26 年 8 月 26 日 文部科学大臣決定)に基づき、株式会社ビジョンケア(以下、「当社」
という。)における研究活動にかかわる不正行為(以下「不正」という。)を防止し、不
正が行われ、又はその恐れがある場合に、適正かつ迅速に対応するために必要な事項を定
めることにより、研究倫理の保持及び向上を図ることを目的とする。

(定義)
第2条 本規程における用語の定義は、以下の各号に定めるところによる。
(1) 「研究倫理教育」とは、当社が行う研究倫理規範の修得及び研究倫理を向上させる
ための教育をいう(他機関で開催される教育内容が同等の研究倫理講座等を含む)。
(2)「研究者等」とは、当社において研究活動を行う社員及び施設を利用して研究活動
(研究支援を含む)を行う全ての者をいう。
(3)「不正」とは、故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく
怠ったことによるもので、具体的には、研究活動に伴い発表した研究成果(論文、学会発
表、報告書等)におけるねつ造(存在しないデータ、研究結果等を作成すること)、改ざ
ん(研究資料・試料・機器・過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得ら
れた結果を真正でないものに加工すること)、盗用(他の者のアイデア、分析・解析方
法、データ、研究結果、論文又は用語を当該者の了解又は適切な表示なく使用するこ
と)、二重投稿(既発表又は投稿中の論文と本質的に同じ論文を他の学術誌等に投稿する
こと)、不適切なオーサーシップ(論文著作者を適正に公表していないこと)をいう。

(最高管理責任者)
第3条 当社における公的研究費等による研究の取扱いに係る最高管理責任者を、代表取締
役社長とする。
2 最高管理責任者は、研究活動における不正防止について最終的な責任を負う。
3 最高管理責任者は、研究活動における不正防止対策の基本方針を策定する。
4 最高管理責任者は、研究倫理教育責任者が責任を持って研究活動における不正防止対策
を円滑に行えるよう、適切に調整及び支援を行う。

(研究倫理教育責任者)
第4条 最高管理責任者が指名した者を、当社における公的研究費等による研究の取扱いに
係る研究倫理教育責任者とする。
2 研究倫理教育責任者は、研究者等に対し研究倫理教育を実施し、受講状況を管理監督す
る。
3 研究倫理教育責任者は、適宜、次に掲げる研究上の不正防止に向けた取組みの実施状況
等を定期的に点検し、必要と認めた場合、研究者等に対して改善を求める他、必要な措置
を講ずるものとする。
(1) 研究者等の研究倫理に関する意識の確認状況
(2) 当社が定める研究記録管理及び研究成果発表に関する手続きの履行状況
(3) 最高管理責任者から指示又は改善を求められた事項
(4) その他、研究倫理教育責任者が必要とする事項

(研究者等の責務)
第5条 研究者等は、自らが計画を立案、実施し、観察データを分析・評価して、研究成果
を発表することから、誇りと高い倫理性を保持し、研究倫理に反する不正な行為について
はその行為者自身が責任を負うべきものであることを理解しつつ、次に掲げる事項を遵守
しなければならない。
(1) 以下の項目を研究活動に係る行動基準としなければならない。
(イ)研究上の不正を行わないこと。
(ロ)研究上の不正に加担しないこと。
(ハ)周りの者に対して研究上の不正をさせないこと。
(2)当社が行う研究倫理教育(当社を本務とする者以外については、他の機関で受講す
る教育も含める)を、定期的に履修しなければならない。
(3)当社が定める研究記録管理及び研究成果発表に関する手続きを適切に行わなければ
ならない。
(4)研究倫理教育責任者から研究上の不正の防止に向けた取組みに関する指示又は改善
を求められた場合は、誠実に対応しなければならない。
(5)研究者等は、次の事項を含む誓約書を当社に提出しなければならない。提出しない
者は、公的研究費による研究活動ができないものとする。
(イ)当社及び公的研究費の配分機関の規則等を遵守すること。
(ロ)公的研究費の不正使用や研究活動における不正行為を行わないこと。
(ハ)規則等に違反して、不正を行った場合は、当社及び公的研究費の配分機関の処分
及び法的な責任を負担すること。

(教育を履修しない者に対する措置)
第6条 当社は、第5条第2項の教育を履修しない者に対して注意喚起を行い、注意喚起
後もなお教育を履修しない場合は、当該者に対して研究活動の一時停止等必要な措置を講
ずる。

(研究記録の保存及び開示)
第7条 当社における研究記録とその保存及び開示については、当社の研究記録管理規程に
従う。
2 研究者等は、論文等の形で発表した研究成果について、求めに応じ、研究活動の適正性
について科学的根拠をもって説明するとともに、必要に応じ、研究記録等を開示しなけれ
ばならない。なお、転出や退職後もその責務を負うものとする。

(告発・相談窓口の設置)
第8条 当社での研究活動における不正行為に関して、社内外からの告発・相談窓口は当社
監査室とし、連絡先・受付の方法は当社ホームページ上で公表する。
2 監査室は、告発・相談が、書面、電子メール等の適宜の方法により行えるように窓口の
体制を整備する。書面による告発など、受付窓口が受け付けたか否かを告発者が知り得な
い方法による告発がなされた場合、監査室は当該告発者に対して受け付けたことを通知す
る。
3 監査室は、告発・相談の内容及び告発者・相談者の秘密を守るための適切な方法を講
じ、これを保護しなければならない。
4 報道または学会等により不正が指摘された場合、又は、不正の疑いがインターネット上
に掲載されていること(ただし、調査事案の内容が明示され、かつ不正とする科学的な合
理性のある理由が示されている場合に限る)を監査室が確認した場合には、告発があった
場合に準じて取り扱うことができる。

(告発の受理等)
第9条 告発は、第8条の告発・相談窓口に対し直接行うものとする。
2 監査室は告発を受けたときは、速やかに、最高管理責任者に報告するものとする。
3 告発は、次に掲げるすべての事項が明示されている場合のみ受理することとし、当
該告発者に対して受理したことを通知する。
(1)不正を行ったとする者の氏名(以下「被告発者」という。)
(2)不正の態様
(3)不正と判断した科学的に合理性のある理由
4 告発は、原則として顕名によるもののみを受理するものとする。ただし、匿名によるも
のであっても、その内容に応じ、顕名の場合に準じた取扱いをすることができる。
5 告発の意思を明示しない相談の場合には、相談者に対し、告発の意思の有無を確認す
る。 6 前項において告発の意思が確認されない場合にも、告発を受理した場合に準じた
取扱いをすることができる。
7 不正行為が行われようとしている、又は不正行為を求められているという告発・相談に
ついては、監査室はその内容を確認・精査し、相当の理由があると認めたときは、被告発
者に警告を行うものとする。

(予備調査)
第10条 最高管理責任者は、告発の報告を受理した際、不正に関して本調査が必要かどう
かを検討するため、速やかに予備調査を実施する。 必要と認められた場合は、調査委員会
を設置して予備調査を実施する。
2 最高管理責任者は、予備調査を行う場合、研究者等に対しそれらが保有する資料等の保
全を命ずることができる。
3 最高管理責任者は、告発の報告を受理した日から30日以内に予備調査を終了し、その
結果、告発された事案が本格的な調査をすべきものと判断した場合、本調査を行うことを
決定し、告発者及び被告発者、調査事案に係る公的研究費の配分機関及び文部科学省(以
下「配分機関等」)に対し、その旨を通知する。被告発者が当社に所属していない場合
は、当該被告発者の所属機関にも通知する。本調査を行わないと決定した場合は、告発者
にその旨を通知し、告発者及び配分機関等の求めがあった場合において、予備調査の資料
を開示する。

(調査委員会の設置等)
第11条 最高管理責任者は、予備調査の結果、本調査が必要であると判断した場合、調査
委員会を設置する。
2 最高管理責任者は、当社に属さない外部有識者を委嘱または任命により調査委員として
含めて調査委員会を設置するが、その調査委員の半数以上が外部有識者で構成され、すべ
ての委員が告発者及び被告発者と直接の利害関係を有しない者で構成されるようにしなけ
ればならない。
3 調査委員会を設置した場合には、調査委員の氏名及び所属を、告発者及び被告発者に通
知する。
4 告発者及び被告発者は、前項の通知があった日から7日以内に、調査委員について異議
を申し立てることができる。
5 最高管理責任者は、前項の異議申立てがあった場合、内容を審査し、その内容が妥当で
あると判断したときは、当該申立てに係る委員を交代させるとともに、その旨を告発者及
び被告発者に通知する。

(告発案件の秘密保持と対象者の保護)
第12条 役職員及び調査委員に委嘱または任命された有識者は、この規程に規定する調査
等に関して知ることができた情報を調査関係者以外に漏らしてはならない。また、告発を
した又は告発をされたことを理由に、告発者・被告発者に対して不利益な取り扱いをして
はならない

(調査への協力)
第13条 役職員等は、この規程に基づく調査等に協力しなければならない。

(調査等の事務に携わる者の制限)
第14条 不正行為の事案の事務に携わる者は、自らが関係すると考えられる事案の処理に
関与してはならない。

(証拠となる資料等の保全)
第15条 本調査の実施にあたっては、告発された事案に関わる研究活動に関し、証拠とな
るような資料等を保全する。
2 役職員が当社とは別の研究機関と共同して調査、研究を行う場合において(以下、この
研究機関を「共同研究機関」という。)、その共同研究機関の調査機関から要請があった
場合は、前項に準じるものとする。
3 本調査の実施にあたって、調査対象における公表前のデータ、研究上または技術上秘密
とすべき情報が、調査の遂行上必要な範囲外に漏えいすることがないよう十分配慮する。

(被告発者の調査研究活動の制限)
第16条 最高管理責任者は、本調査の結果が出る前であっても、被告発者に対し、調査対
象となった事案と同じ制度による研究費の使用を一時停止させることができる。
2 第15条の資料等の保全に影響しない限り、被告発者の研究活動を妨げない。

(本調査の実施)
第17条 調査委員会は、予備調査が終了した日から30日以内に本調査を開始する。
2 調査委員会は、本調査を開始した日から原則として150日以内に、不正の有無の認定
とその具体的内容及びその根拠とした調査の内容をまとめた報告書を最高管理責任者に対
し提出する。最高管理責任者または配分機関等の求めがあった場合、調査期間中であって
も中間報告書を提出する。
3 調査委員会は、調査にあたって、告発者が了承したときを除き、調査関係者以外の者や
被告発者に告発者が特定されないよう周到に配慮する。
4 調査委員会は、調査にあたって、告発された事案に係る研究活動に関する論文や実験記
録、生データ等の各種資料の精査や、関係者のヒアリング、再実験の要請等を行う。この
際、被告発者の弁明を聴取する。調査の対象には、告発された事案に係る研究活動のほ
か、調査委員会の判断により調査に関連した被告発者の他の研究活動も含めることができ
る。
5 調査委員会の調査に対し、告発者及び被告発者等の関係者は誠実に協力しなければなら
ない。
6 告発された不正行為が行われた可能性を調査するために、調査委員会が再実験等により
再現性を示すことを被告発者に求める場合、又は被告発者自らの意思によりそれを申し出
て調査委員会がその必要性を認める場合は、それに要する期間及び機会に関し当社により
合理的に必要と判断される範囲内において、これを行う。その際、調査委員会の指導・監
督の下に行うこととする。
7 調査委員会は、調査によって得られた、物的・科学的証拠、証言、被告発者の自認等の
諸証拠を総合的に判定して認定を行う。本来存在するべき基本的な要素の不足により、不
正行為の疑いを覆すに足る証拠が示せないときは、不正行為と認定される。
8 調査委員会は、告発にかかる事実が不正に当たらないにもかかわらず告発がなされた場
合において、告発者に故意または重過失がある旨の認定を行うとき(以下、かかる認定が
なされた場合を 「悪意に基づくものと認定された場合」という。)は、あらかじめ告発者
の弁明を聴取する(以下、かかる認定がなされた告発者を「悪意の告発者」という。)。
9 被告発者の自認を唯一の証拠として不正と認定することはできない。

(本調査結果の通知と報告)
第18条 最高管理責任者は、前条第2項の報告書の提出があった場合には、速やかに、告
発者及び被告発者に通知するとともに、配分機関等に報告する。 被告発者が当社以外の機
関に所属している場合は、その所属機関にも当該調査結果を通知する。告発が悪意に基づ
くものとの認定された場合は、告発者の所属機関にも通知する。

(不服申立て)
第19条 前条により通知された調査結果において、不正を行ったと認定された被告発者ま
たは悪意の告発者は、前条による通知の日から10日以内にその調査結果に不服を申し立
てることができる。
2 不服申立てがあった場合は、すみやかに関係者に通知するとともに、配分機関等に報告
する。

(再調査)
第20条 前条の不服申立ての審査は、調査事案の本調査を行った調査委員会が行う。ただ
し、不服申立ての内容について新たな専門性を要する判断が必要となる場合は、最高管理
責任者は、調査委員の交代もしくは追加または調査委員会に代えて他の者に審査を行わせ
ることができる。
2 調査委員会は、前項により調査事案の再調査を行うか否かを審理し、不服申立がなされ
た日から10日以内に最高管理責任者に対しその結果を報告するものとする。
3 最高管理責任者が調査委員会の報告に基づき再調査の実施を決定した場合には、決定し
た日から、調査委員会は原則として10日以内に再調査を開始する。
4 再調査を行う場合には、再調査を開始した日から原則として50日以内に、先の調査結
果を覆すか否かを決定し、その結果より直ちに調査報告書を作成し、最高管理責任者に提
出する。
5 最高管理責任者は、不服申立をした者に対し、再調査の結果を通知するとともに、当該
不服申立ての経緯とその調査結果等を、配分機関等に報告する。

(調査結果の公表)
第21条 最高管理責任者は、不正が行われたと認定された場合には、速やかに調査結果を
公表するものとする。
2 公表する調査結果の内容は、特段の事情がない限り、不正に関与した者の氏名・所属、
不正の内容、処分の内容、調査の方法等とする。
3 不正が行われなかったと認定された場合には、原則として調査結果は公表しないものと
する。但し、調査事案が外部に漏えいしていた場合及び論文等に故意によるものでない誤
りがあった場合、その他最高管理責任者が相当と認める場合は、調査結果を公表する。
4 告発が悪意に基づくものと認定されたときには、調査結果を公表する。

(不正に対する措置)
第22条 最高管理責任者は、不正が行われたと認定された場合、または告発が悪意に基づ
くものと認定された場合は、当社就業規則に基づいて適切な処置を講じる。
附則
1 本規程は、令和3年7月1日から施行する。